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極寒の港町の取材を終えて
東京に戻ってきました。

やっぱり暖かいなあ、
と思ったけど
それは東京だからというわけでなく
全国的に気温が高いみたいですね。

自宅に戻ると駐車場に
夫の車が停まっているのが目に入り
早速顔を合わせなきゃならない事に
少しげんなりしました。

家に入っても
リビングには行かずに
自室に直行して荷物をほどいていると
いつの間にか後ろに
夫が立っていて
飛び上がるほどビックリしました。

「ただいまぐらい言いなよ」

「靴下と下着がなくなりそうだからすぐ洗って」

「それと、明日チラシのポスティングして」

「医療費の通知が来てたけど、病院行きすぎじゃない?」

あからさまに不機嫌そうな夫は
矢継早に不満をぶつけてくるので
私はわかった、と一言だけ返事をして
洗濯機のある洗面所に
逃げるように入って
ドアを閉めました。

そして夫の衣類が入った
洗濯カゴの中身を
全て洗濯機に押し込んで
てきとうに洗剤を入れて
最も節水できるコースにして
スイッチを押すと
そのまま床に座り込んでしまいました。

さっきまでは何ともなかったのに
夫の声を聞いたら
右側のこめかみが
ズキズキと痛みだします。

ドアの向こう側から
怒鳴るような声がまだ聞こえるけど
洗濯機の水音で聞こえないふりをして
長い時間、そこに座っていました。


あの港町で
荒れた海に出て
氷のように冷えた身体と
乏しい漁の獲物を持ち帰る漁師達。

彼等を毎日迎える
漁師の妻たちの
弾けるような笑顔が
なぜか今鮮明に蘇ってくる。

彼女達は毎日
楽しそうに夫の服を洗うのだろう。

おかえり、と優しく迎えて
温かい食事を用意するのだろう。

それがあるからこそ彼等は
厳しい毎日を乗り越えられるのだろう。

夫と私はもう
そういう優しさを与えあうことは
できないのだと思う。

優しさの玉はとっくに出尽くして
残ったのは無味乾燥の日常と
経済的に生き残るための
共存関係しかないのだ。

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