今朝の気温は15℃。

秋を飛び越して
冬の足音が聞こえてきます。

ここ最近は落ち込む事が多々あり
気分が沈みがちだったので
私の数少ない気晴らしである
映画を観に行きました。


バットマンでお馴染みの
「ジョーカー」。
(気晴らしにしてはダークなセレクトですが
私はこの手のどんよりした作品が好きです)

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いかにして
ジョーカーは生み出されたのか?

そこには

バットマンに登場する単なる悪役からは
想像できなかった

深い汚泥のような「貧困」が

横たわっていたのです。

以下ネタバレになりますので
これから鑑賞予定の方は読まずにおくと良いです。










年老いた母親の世話をしながら
ピエロの仕事でどうにか生計を立て
ギリギリの暮らしを送るアーサー。

密かにコメディアンを目指す彼は
自分が有名になって
人々を爆笑・喝采させる事を
リビングで夢想しながら
1人、悦に入るのが唯一の楽しみ。


しかし彼は
感情が昂ると何の脈絡もなく
笑い出してしまう病を抱えていた。

そぐわない場面で
突然笑い出す彼は周囲に疎まれ
時にはストリートキッズにまでバカにされて
理不尽な暴行を受ける事もあった。

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社会から疎外されたアーサーのような
いわゆる「コミュ障」の人は
正常な人間関係を築くのが難しく
経済的にも困窮して
徐々に孤立を深めていく。

後に彼は自分の出生の秘密や
この世でただ1人信じ
守ってきた母親の裏切りや

実の父親だと勘違いしていた
トーマス・ウェイン(バットマンの父親)
に親愛の情を示すも殴られて一蹴されるなど

彼の自尊心やアイデンティティの根幹は
揺すられ、浸食されていく。

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自分の人生に絶望するアーサー。

そんな時に
地下鉄で乗り合わせた
3人の証券マンに絡まれてしまう。

いつもなら抵抗せず
タコ殴りにされていただろうが

アーサーには同僚から無理矢理渡された
銃があった。


ここから
彼の凶行はスタートするのだけど

よくあるハリウッド映画のように
「ラスト5分の驚愕」や
「予想もしない展開」はなく
淡々と進んでいく。


ホワイトカラーの象徴のような
証券マンを惨殺したジョーカーは
メディアを通じて大きく報道され
社会の底辺であえぐ人々に
カリスマのように扱われりようになり
誰もがピエロのお面をかぶり
街でデモを集結させる。

自分と同じような貧しい階層の人々に肯定され
初めて自分に自信を持てたアーサーは
「ジョーカー」として生きる事を決意した。

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生まれ変わったアーサーは
軽やかにステップを踏んで
今までの鬱積を晴らすかのように
テレビ局へ乗り込んで
憧れていた司会者を射殺する。



映画全体の完成度が高く
エンターテイメントとしても
優れた作品でしたが
今の時代にこれだけ共感を呼んだのは

体制側であり富裕層のバットマンより
底なしの貧しさと生きづらさを抱える
ジョーカーの方に
自らを重ね合わせる人が
多かったのかもしれません。


多くの人はこんな凶行には走らず
恵まれない環境に流され沈んでいき
消耗しながら人生を終えるのが
現実なのでしょう。


もしもアーサーの事を

少しでも気にかける人間がいたら

優しく接する人がいたら

真剣に話を聞いてくれる人がいたら

彼の人生は変わっていただろうか。



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